2025 EWC 第1戦 ル・マン24時間 決勝レポート(4月19〜20日)
転倒6回も諦めずに目標の24時間レース完走を達成し、SSTクラス4位で29点を獲得。チームは昨年成しえなかった24時間完走をついに果たした。
決勝日は雨や小雨、曇りなどレインタイヤもドライタイヤも使うコンディションとなった。レーススタートから転倒が相次いだことは、路面状況のほか、午前に行われた併催のサイドカーレースでコースにオイルが出たこと、菜の花の花粉が大量に飛散していたことの影響もあったかもしれない。
例年に比べると雨の中でも気温は高く、一番寒い時間帯でも10度だったことや、プレルマンとのコンディションの違いも顕著に表れていた。
Team Étoileは大久保光がスタートライダーを務めるが、7周目の最終コーナーで転倒。SSTクラストップから11番手まで下げたが、2時間が過ぎると再び首位に立っていた。
しかし、大久保光が2回、渡辺一樹が1回、伊藤元治が3回とチームで6回の転倒を経験してしまう。6時間目にはSSTクラス17位(総合30番手)の位置にいたタイミングもあったが、普段から整備しているメカニックたちによる早業でマシンを修復して毎度コースに送り出した。
その結果、最後にはSSTクラス4位(総合12位)でフィニッシュし、チームとして昨年成しえなかった24時間レースでの完走を達成。29ポイントを獲得してランキング5番手につけ、さらにメカニックアワードも受賞した。
ランキング首位からは31ポイント差をつけられたため、次戦の第2戦スパ8時間でもチーム一丸となって取り組み、昨年同様にポールポジションを狙い、決勝レースでもトップを目指していく。
ライブ配信やSNSでの投稿にコメントをくださったファンの方、そしてレースの中継を通してたくさんの応援をしてくださった方に感謝申し上げます。ありがとうございました。
ライダー・チーム代表コメント
ライダー
大久保 光
「決勝日の天候が不安定なことはわかっていたので、スタートでは自分が集団から抜け出す走りをしたいと考えていました。実際にSSTクラストップでホールショットを取ることができ、そこまでは順調だったのですが、7周目の最終コーナーで凡ミスによる転倒をしてしまい、追い上げの展開になってしまいました。」
「その後も近年稀に見る荒れた天候で夜間に再び転倒してしまい、チームに迷惑をかけてしまったのは申し訳ない気持ちです。それでも、みんなが諦めずに戦い続けて、最終的にSSTクラス4位という結果で終われたのはよかったと思います。」
「今回のレースでチームとして6回の転倒がありましたが、そのたびにマシンを素早く修復してくださったチームのおかげで完走できたと思います。ライダーとして、もっと強くならなければと感じたし、このチームなら世界チャンピオンも夢ではないと実感しました。まずはチームとして24時間レース初完走という目標をクリアできたことを、素直にうれしく思います。」
ライダー
渡辺 一樹
「今回はレース前から『まずは完走』、その上で『次の目標に向かって進んでいく』という一歩目だったので、まず決勝を無事に終えて、結果として最終的にSSTクラス4位という成績を残せたことが、何よりも良かったです」
「レース展開自体があまりにもいろいろなことが起きすぎましたが、自分自身も転倒があったことは非常に大きな反省点です。かなりトリッキーなコンディションで、レース全体でトータル202回の転倒があったほど。もちろん、難しい状況を言い訳にするつもりはありませんが、自分がマネージしきれなかった部分や、一人のライダーとしての課題は今回のレースで強く感じています」
「レース全体を通して見たときに、チームとしての進化があり、6回の転倒があった中で最短のロスタイムに抑えられたからこその結果だったと思いますし、チーム力の高さが逆に浮き彫りになりました。チームに負担をかけてしまったことは申し訳ないですが、メカニックやチームの準備が、この結果として返ってきたと感じています。難しいレースでしたが、チームの“地の力”が見えてきたように思います」
「チーム全体にとって自信に繋がるレースだったという、ポジティブな捉え方をしてもいいと思います。シーズンを通しての最終目標はチャンピオン獲得ですし、今回29ポイントを獲得できたことで、次のスパ8時間が純粋に楽しみになりました。次は勝ちたいですね。頑張ります」
ライダー
伊藤 元治
「少し疲れましたが、それだけ十分すぎるほどに耐久レースを経験できたと思います。最初の1スティントはチームの戦略がしっかり機能し、難しいコンディションの中で順位を上げて次に繋げることができたのは、今後に向けて非常に良かったです」
「それ以降のスティントも雨から始まったり、乾いている箇所がありつつもウエットパッチが残っていたりと、夜間もその状況が続きました。今月初の公式テストとはまったく異なり、完璧なドライコンディションは一度も経験できませんでした。結局、僕自身も3回転倒してしまい、耐久レースでは本来避けるべきことなので、今後はメンタリティのあり方や、無理をしない判断などを見直して改善したいと思います」
「どのチームも多くが転倒していたし、滅多にない特殊なレースだったと思います。そんな中で初めての24時間レースがこの経験になったことは、これからに大きく活きると感じています。何度も転倒し、そのたびに修理して再び送り出してくれたチームには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。チーム全員の“絶対にゴールする”という強い意思を感じて、僕もその想いに感化され、しっかりと走り切ることができました。ありがとうございました」
ライダー
奥田 教介
「チーム・エトワールとしては、24時間レースで初めて完走できたので、素直に嬉しいです。他チームではボルドール24時間を完走したことがありますが、そのときはライダーが3人。今回は4人編成だったうえに、雨で燃費が良かったこともあり、僕自身はトータルで4スティントしか走っていません。初回のスティントでは1時間半走行し、1000ccで1時間半というのは初めてだったので、長く感じました。休み時間も多く取れたので、身体的には比較的楽でした」
「ただ、トラックコンディションがかなり荒れていたため、精神的にはかなり疲れました。多くの転倒があったなかで、バイクを修復して繋ぎ、完走して最終的に4位に食い込めたというのが、まさに24時間レースだなと改めて実感しました。転倒しないことが耐久レースの基本だと思っているので、自分のスティント中に雨が降った場面もありましたが、1周目は慎重に走り、速いライダーの動きを真似しながら、常に周囲の状況を意識して走ることを心がけていました」
「24時間を走り切れたことに、とても感動しました。泣きはしませんでしたが、内心はちょっとウルウルしていました。次戦のスパ8時間にはスタッフとして帯同する予定なので、チームを応援しながら自分の役割を果たします。スパ・フランコルシャンも、いつかライダーとして走ってみたいです!」
チーム代表
市川 貴志
「この24時間を通して、Team Étoileは一段と“本当のチーム”になったと実感しています。転倒やトラブルが続く中でも、誰一人として諦めず、それぞれが自分の役割を果たしながら、信じて支え合った結果が今回の完走と29ポイントという成果に繋がりました。技術、体力、そして何より精神力。そのすべてを問われたこの舞台で得たものを、次戦につなげていきます。私達の2025年は、まだ始まったばかりです。応援、よろしくお願いいたします。」